書について
小学1~5年生の期間、書道教室に通い段位も取得したはずなのですが、現在ではそれが全く活かされておらず、字はとても下手です。下手というよりも、自分の醜い部分が如実に形となっていて嫌悪感がするといった方がより適切でしょうか。
clg002《どうろには》、clg004《人間は、むかしから》からclg007《詩 かえるの目で見れば》、《いろはにほへと》を見ると、この間に「そ」の字の書き方が一筆から二回に分けるものへと変化したことが分かります。いつどこでこの癖がついたのか今でははっきりしないのですが、前者だと折れる回数を間違えてまさにミミズがのたうち回ったような記号となってしまうため、それを防ぐためにこの書き方になったような気がします。
絵に詩や短歌、俳句を添える詩画を描く際に、もっと上手な字が書ければ少しは作品の見栄えもよくなるのにと嘆くことが多々あります。
clg001《うま》1991年、墨/紙、33.0×24.0cm
授業で正式に字を習う以前、幼稚園の夏休み(7月)に初めて筆で書いたと註釈が付いています。「う」の字の払いや、「ま」の字の丸まっている部分なの筆運びに勢いが感じられます。
clg002《どうろには》1992年、鉛筆/紙、36.3×25.6cm
小学1年生の時の作品。初めて授業で字を習った時は、正式なものとして「そ」の字は一筆で書いていたことがわかります。「し」や「じ」の字だけが他と比べて整っているように見えます。
clg003《はねつき》1993年、ペン/紙、36.4×12.9cm
条幅紙を連想させる画面の比率や題材から、授業で書き初めとして書いたのではないかと思われます。小学1年生ではまだ毛筆は習わないので、フエルトペンという懐かしの筆記用具が用いられています。「ね」の字の折れの部分が揺れているようで、線に迷いがあります。
clg004《人間は、むかしから》1993年、鉛筆/紙、36.0×25.2cm
小学2年生の書写の授業で書いたもの。「そ」の字はまだ一筆で書かれています。消しゴムをかけたのかところどころ下の字が見えていて、書道の作品としては失格です。
clg007《詩 かえるの目で見れば》1996年、ペン/紙、19.7×27.0cm
小学5年生の時の作品。国語の授業で詩を作り、それを書にしたものです。末尾には「かわいいコックさん」の絵描き歌に登場するかえるのイラストも添えられており、記念すべき詩画の処女作ともいえます。
「そ」の字は一筆のようにも二回に分けて書いたようにも見える、微妙なものとなっていて、過渡期であることがうかがえます。
小学6年生時の作品
- clg008《成長》1997年、墨/紙、33.0×24.0cm
- clg009《なわとび》1997年、墨/紙、33.0×24.0cm
- clg010《台風》1997年、墨/紙、33.0×24.0cm
- clg011《広がる夢》1997年、墨/紙、33.0×24.0cm
- clg012《生物》1997年、墨/紙、33.0×24.0cm
- clg013《湖》1997年、墨/紙、33.0×24.0cm
- clg014《笛》1997年、墨/紙、33.0×24.0cm
学習塾に通うために書道教室を小5で辞めた後の作品。おそらく学校の授業で書いたものがまとめて保存されていました。教室で習っていたものが全く発揮されていないのが悲しいです。
《いろはにほへと》
- clg017《いろはにほへと 右》1998年、墨/紙、33.0×24.0cm
- clg018《いろはにほへと 左》1998年、墨/紙、33.0×24.0cm
中学1年生の書写の授業で書いたもの。「そ」の字は完全に二回に分けて書かれており、おそらく中学入学を機に書き方を全面的に変えたのではないかと推察されます。