その他の作品について
これまで挙げてきたカテゴリーに入らない作品を、その他としてまとめています。これから先、私が日本画を描いたり、建築を設計することはおそらくないでしょうから、ひとまずはデジタルアートが当てはまります。
さて、デジタルアートは昨今の技術革新によりすっかり定着してきました。デザインの部門では、デジタルを使わない制作はもはや考えられないでしょう。
失敗しても簡単に元に戻すことができ、色も形も自由自在に変更できるデジタルアートのメリットは、とても魅力的です。また、アナログですと物理的にもかさばり、作品の置き場にも困りますが、デジタルはそのような心配もありません。タブレット1台で、どのような世界も好きなように創造出来るデジタルアートは、無限の可能性を秘めています。
この時代に、紙とペンで描くのは、時代遅れのような気がしてなりません。失敗すると修正を行うのは容易ではなく、絵の具が乾くまでは先に進めない厄介さを、レトロやノスタルジーと嗜むのはアマチュアだけで、プロはそうもいってられないのでしょう。
今後、お絵描きソフトやタブレットを導入して、デジタルアートを本格的に始めるかもしれません。現段階では、Microsoft Wordなどで描いた稚拙なものです。
他に考えられるのは、文字の並びで形を表現するカリグラムがあります。手書きならともかく、活字にすればそれはもはや書とは呼べず、しかし詩と見なしてテキストの内容だけを鑑賞するのは不十分で、美術と文学が融合した作品となります。カリグラムを作ってみたいという気持ちはとても強く、そのような作品がこのカテゴリーにくることも大いにありえます。
oth001《38歳による希望の一首》2023年、デジタルアート、サイズ可変
初のデジタルアートによる作品。といっても、illustratorなど使えないし持ってもないので、Microsoft Wordの図形で作成したものです。私のポップな作風はそのままに、何度でも修正ができるデジタルのメリットを最大限発揮できたと思いますが、いかんせん慣れていないため、制作に3日以上かかってしまいました。
oth002《自己紹介の和歌》2023年、デジタルアート、サイズ可変
フリー素材の原稿用紙の画像と、フリー利用可の手書き風フォントを使い、制作したもの。文字色も黒ではなく、万年筆のインクを意識してブルーにしています。
実物の原稿用紙に手書きで文字を書いて落款を押した方が簡単にできるイメージを、時間も手間もかけてデジタルで作ることにどのような意味があるのでしょうか。比較対象として、いつかアナログによる作品も制作してみたいです。
oth003《猫目と中秋の名月》2023年、デジタルアート、サイズ可変
猫の目と三日月を重ね合わせたイメージ。月の部分を寸分の狂いもなく完璧な弓張り形にできるのは、デジタルの特権でしょう。
黒の色は、原色の真っ黒(#000000)ではなく、墨を参考にした色(#1C1C1C)にしていますが、違いが出ているでしょうか。