岡山・倉敷旅行記

1日目 2018年7月20日

朝8時に東京駅に到着。少し早すぎたか。8時50分の新幹線で岡山へ。久し振りの新幹線だが、荷物が少ないからか、そんなに難儀はしなかった。途中、少しウトウトしてしまった。

12時13分に岡山駅に到着。商店街をぶらついて昼食を摂った後、岡山県美へ。ポーラ美術館のコレクション展だが、点数がやや寂しい。100点くらいは欲しかった。マティスの絵は3点あって、改めてその良さを実感した。装飾性がカギだ。写真を撮れなかったのが残念だ。

常設展の方も、もう少し点数があるとよかったか。工芸もあって、ヴァラエティーに富んでいた。

その後、岡山市立オリエント美術館にも寄ってみた。シルクロードをテーマとしていたが、内容はやや微妙なもの。あまりピンとくるものがなかった。

5時過ぎに駅前に戻る。館内にいる間は快適だったが、やはり外は暑い。ホテルにチェックインして、荷物を置いた後、明日行く場所のバスのり場の下見をした。バス停の番号も確認して、シミュレーションは完璧。あとは時間通りに行動するだけだ。

仕事を休んで旅行に来てることに、なんらの罪悪感もなく、むしろこの状況を大いに楽しんでいる。まちがいなく、非日常のこの旅を楽しんでいる。ずっとこのままならいいのに。

明日が、この旅の最大の目的だ。気合を入れていこう。

2日目 2018年7月21日

朝食を摂り、7時40分には後楽園に着いた。朝7時30分からやっているので、早朝の散策。しかし、日差しはすでに厳しいものであった。草いきれのにおいや、セミしぐれなどはよかった。紅葉や雪景色なら、なおいっそうのことよいものであっただろう。真夏は、青葉しかなくて変化に乏しい。一句詠もうともしたが、暑さにやられてしまい断念。

次に、夢二郷土美術館へ。Kawaiiの原点をさぐる展示だったが、個人的にはあまりKawaiiとは思えなかった。何が原因なのだろうか。叙情性は感じられるのだが、形体としてしっくりくるものがない。とはいえ、フォルムについて今後の創作の参考になる部分もあった。

その後、岡山駅に一度戻って、昼食を摂った後、この旅の最大の目的である、美術史学会西支部会の例会を聴きに、岡山大学へ。バスが時間通りに来ないなんてこともあったが、始まる前に余裕をもって到着。一つ目の研究発表はまあまあ。そして、おめあての二つ目の研究発表に。メモをとるのに大忙しで、あっという間に45分は過ぎてしまったが、大変に刺激的なものであった。それが今後の自分にどう変化を与えるのかはまだわからないけれど。

再び岡山駅に戻った後は、岡山シティミュージアムへ。猫がたくさん。江戸時代の浮世絵は、あまり性に合わない、近代の木版画の方がよいという感想を持つにいたる。

ホテルに戻ってからは、酒を呑む。気分が少し上がる。

明日は倉敷に行く予定。

3日目 2018年7月22日

ホテルをチェックアウトして、倉敷へ。10年ぶりの倉敷。なつかしさもあり、また新鮮さもあった。美観地区の中にある阿智神社へ。急な階段を昇り、参拝する。また、久し振りに御朱印をもらった。

大原美術館が開くまで、美観地区をぶらつく。朝9時に大原美術館へ。これもまた10年ぶりの再訪だったが、あの時よりもやや小さいと感じた。美術館の見方が10年前より確実に変わっている。それがいいか悪いかは別として。

分館と工芸館、東洋館も見て回り、昼食にそばを食べる。その後、倉敷市立美術館へ。郷土ゆかりの作家や、地元の名宝の展示だった。なぜこの作品が展示されているのか、一つ一つ納得させながら見ていった。小さくてやや古いが、しっかりとしたよい美術館であった。

倉敷から岡山に戻り、お土産を買って東京へ。帰りの新幹線の中でこの旅行記を書いている。今回の旅行が、自分にとってどう変化を及ぼすかはわからない。しかし、今、この時に岡山、そして10年ぶりに倉敷へ行くということに、大きな意味があったと思う。行ってよかった、まだ旅行に行くだけのエネルギーがあるのだと、そう確認できる旅行だった。

そして明日仕事に行くのがとてつもなく憂鬱だ。