2010年
(笑)は要らない
ゲラゲラと下品な笑い話はもう要らない
自分の過去を三文芝居みたいに語るな
そんなことをして誰の得になる
その場がいたたまれない空気になるだけだ
どうせ他人は自分に対して
そんなに大した関心は持ってないんだから
いたって普通にすればいい
なにも特別なもののように見せかける必要なんてない
卑下したり自虐的になったり
とにかく自分を情けない男に
いじられてばかりの道化師みたいに見せるのはやめろ
自分ではそれをやって茶化してるつもりでも
結局いいことなんてない
低俗な(笑)なんて要らない
話にオチがなくてもつまらなくてもよい
平凡なありふれたものでまったく問題ない
とりたててポジティブになるとまではいかなくても
ネガティブ思考をやめるだけで
世界はかなり違ってくる
そこからさらに進んで
プラス思考になれればなおよい
少しは自信を持って
上から目線をやってみよう
よきにつけあしきにつけ
そこからいろんなものが変わってくる 2010.12.1
CoyaNote2010006
うまくいっていると
ちょっと調子づくと
すぐにつまづく
原因は全部己にある
不甲斐ない自分が嫌になる
やるべきことをやらないのがいけない
怠慢以外のなにものでもない
エアポケットに入ったみたいに
気が抜けてボーッとしていては
なにもかもがだめになる
時間はそれをやるためにある
あとでなんて許されない
残すこともできない
もう少し待てば
もっと時間をかければ
いいものが突然降ってわいてくるなんてことはありえない
その時間内にやったものしか
正式なものとして認められない
他のどんなごまかしも
砂に書いた文字みたいに
あっという間に消えてしまう
辛かろうが眠かろうが
下手だろうがなんだろうが
やらなければならない
2010.12.2
CoyaNote2010007
君に電話をかける前に
しっかりと歯を磨いておこう
においが伝わらないように
電波にのっかって
君の甘い香りがすればいいのに
そうすればたちまち切なくなるだろう
2010.12.4
CoyaNote2010008
ため息ついたっていい
落ち込んだっていい
そこからまた這い上がれれば
結局なんだかんだいったって
やらないことには現状は打破されない
待っていても何も変わらない
誰かがやってくれるはずもない
大義名分はある
使命というほど大それたもんじゃないけど
それをしなければならない義務はある
だから
それを御旗にすればいい
CoyaNote2010009
結論
良質な便箋にまさるものなし
是 宇宙の真理
2010.12.14
CoyaNote2010010
下衆で最低なことをしている
時々自分でもこの男が恐くなる
何をやっているんだろうか
そして肝心な時には何もできない
2010.12.16
CoyaNote2010011
長らく離れていたせいか
油絵の描き方を忘れてしまったようだ
勘を取り戻すのにしばらくかかりそう
最後の最後 詰めのところで
失敗をしてしまう
2010.12.20
CoyaNote2010012
毎日描き続けよう
結局のところそれしかない
一日の成果はわずかなものでも
それが七日も重なれば
少しは進める
油絵は一回では完成しないものなのだから
CoyaNote2010013
とりあえず描く
というか 色を 絵の具を塗ってみる
それだけで確実に少しは進む
CoyaNote2010014
最近 歯を磨くと
喉の奥がうっとなる
どうしたものか
CoyaNote2010015
体の調子がとても悪い
熱があるし
頭が痛いし
体が重いし
フラフラするし
気だるい
風邪かな
2011年
CoyaNote2011001
新しい万年筆を買った
びっくりするくらい派手なピンクの軸色
そしてインクの色は「紅葉」
今までにない赤系統の色である
衝動的なくらい突然
こんな感じの色が欲しくなった
今まで黒や青やブルーブラックなどの
しっとりと落ち着いたどちらかというとおとなしい
男性的な色を選んでいた
それしか選択肢がなかったというのもあるし
それが無難だったから
でも少し技術や時代の進歩により
今までにないくらい
多彩なインクの色が用意されるようになった
そこで少しいや思い切って冒険して
全く新しい色に挑戦してみようと思ったのだ
「紅葉」という色は今までに経験したことのないくらい
鮮やかな輝きを放っている
なんだか自分の字じゃないみたいだ
まだ慣れていない
でもこのインクで書く時 今までとは別の
新しい人格になれるような気がする
このインクで書く言葉たちが
どうなるのか
今はそれがとても楽しみだ
CoyaNote2011002
焦って書くといい色が出ない
ゆっくりと一画一画丁寧に線を引けば
鮮やかで深みのある色になる
それはまるで時間をかけて熟成されたような
紅葉の色である
CoyaNote2011003
ノートの頁を赤く染めよう
それが私の気持ちである
CoyaNote2011004
書いてすぐインクがまだ紙の上に踊っていて
暴れているうちは若すぎる色だ
それがだんだんと乾いてきて
紙に染みていくと
インクが醸成されて
とろりとまろやかで深みのある色になる
ウヰスキーやワインと同じ
時間をかけてゆっくりと形成されていくもの
それがこのインクの色なのだろうか
CoyaNote2011005
同じ罎からしたたり落ちたインクなのに
全く違う表情を見せる
女色というやつは
なかなか厄介だ
でもそこがおもしろい
CoyaNote2011006
ようやくこの色にも慣れて来た
第一印象は驚きを含むものであったが
徐々にその良さが分かってきて
今ではすっかり魅了されてしまっている
こういうつき合いは長く続くものだ
しかも相当に深いのである
その時々によって色が違って見える
まるで色が生きているみたいだ
CoyaNote2011007
焦ったってろくなことがない
それはわかっている
でも一瞬一秒が惜しく思えてしまう
今やらなければすぐにやらなければ
間に合わないような気がしてしまう
相反する気持ち
一度ダメでも何回も挑まなければという
積極的な気持ちと
ここは引くべき時ではという
消極的な気持ちに
はさまれて
何も手につかない
まして絵なんて描けない
だってこの絵のモデルは
他でもない君なんだから
CoyaNote2011008
口内炎に悩まされている
舌の左先
ビリビリとしびれるような痛み
鋭い針でちくちくと刺されるような痛み
ほほを引っ張られるような圧力
早く治さなければ
CoyaNote2011009
口内炎を患った
荒れた舌先で切手をなめる
ベロリと気味の悪い舌触りがする
CoyaNote2011010
あれこれと迷う
そして決める 一揃えのお手紙セット
CoyaNote2011011
濡れた手などで決して触れてはならぬ
CoyaNote2011012
下手な字で書く
過去の教訓も忘れて
出来上がりはとうてい満足のいくものではない
それはインクの問題か
CoyaNote2011013
君に送った手紙が返ってきてしまった
受け取られないまま
絶対に読んでもらいたいから
書留にしたのに
証紙からバーコードシールやら
不在や再配達や保管期限切れやらのシールが
何重にも貼り付けられて帰ってきた封筒は
手術を繰り返した末にとうとう助からなかった
さながら死体のような悲しさだ
結局のところ僕の想いは届かなかった
あれだけ迷って意を決して出した手紙なのに
もう二度と君に会うことはできないのだろうか
CoyaNote2011014
立ち止まるのは楽だが
動き続けることでしかつかめないものもある
どれだけ逃げないでいられるかだ
CoyaNote2011015
腰を痛め 目を充血させ
そして大切な時間を殺し
君は一体何がやりたいのだろうか
CoyaNote2011016
今やらないことだけを考えて
何もかも後回し
後がやがて今になっても
それを延長するだけ
CoyaNote2011017
なんとなく、イメージしていることはある
何も考えていないわけではない
だったらそれをやればいいだけだろうに
なぜそうしない
なにがそうさせない
そういうのをなんて呼ぶか知っているか
怠慢というのだよ
つまりそれは人間のクズということだ
CoyaNote2011018
諦めることと開き直ることは違う
ましてそれはやらないことの言い訳になんて
絶対にならない
CoyaNote2011019
昔読んだクイズの本で
「どのような物質にも書けるインクが実用に向かないのはなぜか」
という問題があって
正解は
「インクが空気中に飛び散ってしまうから」
のような気がするが
それはともかく今君がすべきことは
このクイズに出てくるような
空気中にとばっとあふれ出てしまう
インクのビンのフタを開けることだ
まるで無重力状態の中を
インクをゆらりゆらりと漂わせることだ
自分の中にある栓を切り
全てを一気に放出させることが
つまりは現状打破の第一歩である
CoyaNote2011020
諦めなければ
もしかしたら叶うかもしれないけれど
それまでに味わう無数の苦難に
今は耐えられそうにない
CoyaNote2011021
風邪と花粉症を併発した
気持ち悪くて仕方ない
CoyaNote2011022
怒りにまかせてぶちあたっても
何の解決にもなりはしない
そんなこともわからないのか
CoyaNote2011023
ビンづめにされた錠剤
あといくつかの効果
CoyaNote2011024
言ってることとやってることがちがう
クズヤロウ
生きる資格もない
CoyaNote2011025
つまり君の悪いところは
常に過去となって初めて後悔する
それに尽きるだろう
当事者としてその場にいた時に
決断や行動をせず
ただその時が過去のものとなることを
ひたすら待つだけ
つまり「やり過ごす」ことが
一番の問題である
これを改めないかぎり
絶対に浮上はない
CoyaNote2011026
理想なんて霞みたいなもの
さっさと捨ててしまいなさい
あるのは現実だけだ
やったこととして手に触れるものだけが
結果なのである
CoyaNote2011027
今がどん底だというのなら
あとはお得意の
流されによってですら
上昇することしか他にないだろう
CoyaNote2011028
それは自分にあてた戒め
CoyaNote2011029
気分でインクの色を変えるな!!
この浮気性め!!
CoyaNote2011030
君になんでもできる魔法をかけたとしても
君自身がそれをやろうとしなければ
まったくもって意味がない
CoyaNote2011031
ハリボテみたいな太った理想
鋭い針で一刺し
膨張に終止符を
そして破裂する音を合図に
目覚めてください
CoyaNote2011032
君の人生をうまくいかせる手っ取り早い方法は
君が君の人生の主人公になることだ
この人物の状況を
他人事としてなにも考えずに眺めているだけでは
うまくいくはずがない
仮面をつけ役柄を与えられ
演じることで初めて
人生に意味が成り立つ
あとはどれだけ真理に迫れるかだ
CoyaNote2011033
笑顔が引きつって
引きつって
引きつって
首吊って
首吊って
手首切って
手首切って
CoyaNote2011034
一瞬鏡に自分の恐ろしい顔が映る
死神がその刹那 姿を見せたようだ
CoyaNote2011035
もう駄目だ
生きるのも辛い
なぜか腹が激しく痛む
胃がキリキリと締め上げらられる
醜く太った豚男の
哀れな最期
CoyaNote2011036
せっかく時間を使って
あっちこっち歩き回って
達成感を得ているが
状況としては何も進展していない
CoyaNote2011037
今読み返すと
とても同一人物が書いたと思えない
恥かしい手紙
10年以上経った今
再びそのような手紙を
書けというのか
それしかないのか
もうとっくに終わっているのに
何がやりたいんだ
ただの自己満足でしかない
どうなったってうまくいく気が全くしない
始める前からもうダメなことが分かってる
それでもやるというのかね
それでもやるというのなら
さあ始めよう
フラれることが分かっている告白を
CoyaNote2011038
君宛てのラブレターを
書くことが
今は苦痛でしかない
CoyaNote2011039
もう結果は分かりきってるというのに
どうしてそれを認めようとしないのだ
明確にダメだとわかるまで
ダラダラと延命を続けようというのか
失いたくない どうしてもあきらめられない
君以外のことなんて考えられない
だとしたら
どうすればいいのだろうか
自分から動かないかぎり
進まないのはわかってる
かといって
あまり強引にやりすぎると
君を傷つけ苦しめてしまいそうで
それが恐い
進んでもやらなくても
どちらにしても辛いだけで
心は少しも安らがない
CoyaNote2011040
これはデジャ・ヴュか
何も変わっていない
かつてこれとまったく同じシーンに出くわして
まったく同じような感情を抱いたことを
思い出してしまった
つまりそれはその先にある結末も
見えているということだ
当然ながら失敗である
絡み合った感情に
さらに嘘を塗り重ねて
上手くいくはずもない
あの時ももはやどうにもできない状況だった
それを認めようともせず
独り善がりな行動をとり
まったくもって悲惨なものだった
ひるがえって現在
今とまったく同じ状況を考えてみると
その後の展開が読めてしまう
そして一番の問題は
愚かだとわかっていながら君が
あの頃と同じ行動をおそらくしてしまうだろうということだ
CoyaNote2011041
もう隠したりごまかしたりせず
本能のままに進めばよいではないか
心の底から叫んでしまえ
気のすむまで手紙を書き続けろ
結果はおそらく散々なものだろう
CoyaNote2011042
あきらめろと心の中で誰かが言う
本当は僕だってそうしたいと思ってるけど
それができないのはなんでなんだろう
CoyaNote2011043
これでだめならあきらめよう
行動する前はいつだってそう思ってるのに
いざ行動して失敗に終わっても
まだ次がある
今度はもしかしたら成功するんじゃないか
そんなことばかりで
まったくもってあきらめられない
CoyaNote2011044
あっちからなにも言ってこないんだから
それを自分勝手に都合のいいように解釈して
一方的に想いを送りつづければ
そのうちあっちから嫌気がさして
君はようやくフられることができるだろう
それは死にも似た空虚な解放感
CoyaNote2011045
描かないよりは描いたほうがよい
人生を損得感情で生きているはずの君が
どうしてこの場合にのみそうしないのだ
それが不思議でならない
絵や絵の具や
それに一番大切な
描きたいという感情が
こんな駄作で失われ損なわれてしまうのが
耐えられないからか
CoyaNote2011046
書留や小包いくら配達されど
届きやしない君への想い
返事なき恋文送る大海に捨てるように
CoyaNote2011047
しないで後悔するよりも
して後悔するほうがいいなんて
そんな台詞に酔ったところで
どっちにしろ
後悔することに変わりはない
成功の果実は食べられない
CoyaNote2011048
結局それは なんなんだ
CoyaNote2011049
とりあえず生きていることは確認できた
今はそのことだけでよしとしよう
あとのことはそれからどうにかする
CoyaNote2011050
舌先に腫れ物みたいな口内炎
痛みとしびれと
そして酸っぱさと
時々血まじりの
生命の残酷さを
僕に教える
CoyaNote2011051
ガラスペンと云ふものを使つてみる
鉄筆でカリカリと文字を刻むやうな
小気味よい感覚である
螺旋を描きながら上へ上へと
染まっていくインクの
模様もまた美しい
なにか彫刻刀のような
切り味鋭い刃物で
傷つきやすい繊細な柔肌の上を
そろりそろりと滑らせてゐるやうな
書き心地である
ペン先の傾け具合によって
インクの量も様々に変わる
万年筆とは明らかにちがう
硬質な書き味に
これはまた良いペンが手に入ったと
なかなかに満足である
そして問題は
このペンを使つて
どんな文字を紡ぎ出すかということだ
つまり誰にどんな言葉をもって
手紙を書こうかが問われている
すぐにでも手紙を送りたい相手がゐる
なら書けばよいではないか
迷つてゐる理由などない
ガラスペンで書いてみましたというのが
手紙を出す立派な動機である
CoyaNote2011052
例えば
さんざん迷った末に
暑中見舞いを書こうとするが
いや立秋を過ぎたから
残暑見舞いか
どんなに心を込めて
書いたつもりでも
それが届くことはないのだ
そしてまるでこの恋文が
無駄に終わるのを
望むかのように
インクがにじみやがる
肝心な文字にかぎって
ふざけるな
インクがにじんだ手紙はもうそれだけでゴミのように思えてくるんだよ
CoyaNote2011053
バカめ
カス野郎
CoyaNote2011054
せっかくのお気に入りのペンやインク
とりわけ新しく手に入れたガラスペンで
こんなにも最低で反吐が出そうなほど
汚い言葉を書いて
虚しくないのかい
空しくないのかい
胸死苦ないのかい
CoyaNote2011055
鏡に映る自分の顔にぞっとする
いつの間にこんなにも老けてしまったんだ
これじゃまるでオッサンじゃないか
気持ちは若いつもりでも
こうやって確実に年をとっていくものだ
それは避けられないことなんだけど
だけどやっぱりなんか悲しい
CoyaNote2011056
もう10月だという
今年もあと3ヶ月しかない
その神無月のはじまりは
あまりにもみじめなものだった
散々たる有り様で
悲しくて眼や腰が痛い
CoyaNote2011057
もうだいたいのイメージはできあがっているのに
あと一歩詰めのところがうまくいかない
どう小手先で直したって
そんなに変わるはずもないのに
どうしてもいい加減なところで切り上げてしまうことに
納得がいかないのだ
CoyaNote2011058
長い間途中のままほったらかしていて
久しぶりに油絵を描くものだから
もはや当初のイメージなど忘れてしまった
とにかくもこれを一応自分の中で
仕上げと呼べるものまでに
しないといけない
CoyaNote2011059
変化を受け入れること
望もうとるすこと
CoyaNote2011060
黒目の中の白目か
それとも白目の中の黒目か
どちらが可愛く見えるのか
どちらもリアリスティックな表現とはほど遠い
そんなことは分かっている
それでも
円らな瞳の女性を描こうとするとき
どちらの目にするかで印象は大きく変わってくる
決断をしなければならない
CoyaNote2011061
世界は「色を塗る」ことから創られる
筆を動かさないことには
いやそもそもカンヴァスの架かったイーゼルの前
その椅子に座らないことには
何も始まらない
まずはそれからだ
CoyaNote2011062
制作している間は 余計なことを一切考えるな
目の前で生まれつつある芸術にのみ専念しろ
現実はいろいろあって大変かもしれないが
黙して手を動かしている間は
とりあえずそれを忘れられる
CoyaNote2011063
つくることは無条件で楽しい
ぐたぐたと言い訳を並べる前に
まずはつくれ
次に出来不出来を気にしろ
何もつくらないうちは
結局何一つ進展などない
CoyaNote2011064
ぺたぺたと貼っていく
それぞれの紙片をしかるべき位置に
それはイメージを構築していく
理性的な作業
順調に進んでいたかに見えた
制作
が、しかし思わぬ落とし穴
どうするか
多少の変更は致し方ない
CoyaNote2011065
さて、さまざまな紆余曲折を経て
兎にも角にも辿り着いた現状は
とても良いものだ
それについてはもはや
問答無用 手放しで喜ぶべきものだ
しかるにこの先どうするか
それが重要だ
何も考えずに突撃しても
失敗するのは目に見えている
では、待つのがよいのか
いつまで
それまで耐えられるのか
おそらく無理だろう
では、諦めるのがよいのか
今すぐ
そんなことできるはずもない
絶対にしたくない
結局のところ
今とりうる暫定的な最善の選択肢は
活動的に静観する
これに尽きるのではないだろうか
いつでも動けるように備えておいて
そして構えたままでいる
果たしてそんなことができるのか
CoyaNote2011066
いつだって理想は目の前のスクリーンに映し出されるだけで
決して掴むことができない
そろそろ君の頭の中から引っ張り出して
その虚構のイメージを
現実のものへとしていただけないでしょうか
つまりそれは
脚本家から俳優へと転職することです
今まではシナリオを書くだけで
物語は自分とは無関係の
他人事でありましたが
これからはそのストーリーを
生身の肉体を通して演じるのです
理想を描くだけではもうもの足りないのです
この手でこの身体で実感できる経験が欲しいのです
それにはいろいろと苦しいこともあるでしょう
しかしそれでも
もう後戻りはできないのです
さあ君が書いた台詞を所作を
君の身体を通して実演してください
CoyaNote2011067
パンチドランカーの君
沈み込んだ気持ち
今がどん底 いやもしかしたら底なし沼
いずれにしても、そこから這い上がれるのか
もがけばもがくほど
ますます深みにはまっていく悪循環
やることなすことが
全て裏目に出てしまう
だがそれでも
抵抗をしないわけにはいかない
なにもしなければ
ただ失うだけなのは確かだ
痛みや悲しみや恥ややるせなさや
その他いろんなものでどろどろとした
まとわりつく汚泥をまといながら
鉛のように重たい体を引き上げる
呼吸ができるうちは
この腕が動くうちは
まだなんとかなると思う
CoyaNote2011068
どうして人生はこうも難しい選択を迫るのだろうか?
2012年
CoyaNote2012001
面倒くさいことを嫌々ながらやって
面倒くささを味わいましょう
苦い味がおいしいと感じられたら
大人になった証拠です
CoyaNote2012002
手袋を買う
シチュエーションになんてこだわるあまり
寒さで手がかじかんでしまいそうだ
妥協してそれなりのものを
買うという行為に出る
たとえそれなりでも
明日の朝これを手にはめることは
確かに楽しみである
そう思わせるほどに
今度の寒さは容赦ない
CoyaNote2012003
自信、というほどではないけど
ちょっとだけ前向きな気持ち
誇り、というほどではないけど
ちょっとだけ強気になれること
プライド、というほどではないけど
ちょっとだけ気高い感情
結局のところそういったものに
いくらがんばったってなれやしない
CoyaNote2012004
独り乗り遅れた
君を置いてけぼりにして
列車はずっと先に行ってしまう
君は一体 何をしているんだい?
CoyaNote2012005
やらなければいけないのに
やらない
そして後になって必ず慌てる
クズの極み
CoyaNote2012006
心臓が締めつけられるほどの不安
どう足掻いても
マイナスのイメージしか湧いてこない
CoyaNote2012007
朝はどん底でも
そこから少しずつ 少しずつ
はい上がっていけば
夕方になる頃には
まあなんとかなってるものさ
CoyaNote2012008
なにか言葉を発する前に
脳内にいくつも設置されている関係機関で
厳重な審査をする
ちょっとでも問題の可能性が予見できる箇所が見つかったら
問答無用で却下
その言葉は発せられません
なにか問題が起こってからでは遅いのだ
発言においては事勿れ主義でいくことだ
つまり黙ってろということだ
CoyaNote2012009
宇駄宇駄言ってないで さっさとやれ
世の中の作業のほとんどは
今やるべきことなのだ
後でやろうなんてことはほとんどない
向かってきた敵をただ淡々と
殴るだけの簡単なお仕事です
誰でもできます
今すぐできます
今しかできません
後ではできません
ほら
敵を殴って倒していくことは
一つ一つやるべきことを
潰して殺していくことは
えもいわれぬ快感でしょう
ToDoリストの項目に
一つ一つ×をつけて
敵を罰していきましょう
裁判官はあなたであり
あなたでしかありえません
CoyaNote2012010
バレーボールと一緒
書類をどこかに落としてはいけない
落としたら負け すなわちデッド
CoyaNote2012011
せめて攻めて責められて
せめー地面に埋められて
CoyaNote2012012
洗濯してた僕のシャツを
無断で飛ばしやがって
この風に殺意すらわく
CoyaNote2012013
仕事帰り 気づいたら僕は
マフラーで自分の首を絞めていた
無意識にだ
苦しくなってやっと目が覚めた
コートを脱ぎジャケットを掛けると
気づいたら僕は
ネクタイで自分の首を絞めていた
無意識にだ
苦しくなってやっと我に返った
あうあうと口をパクパクと動かして
苦しそうに唸るみにくい生き物
自分で殺してしまえ
今すぐに死ね
CoyaNote2012014
今日という日は
殺されるためにあるわけじゃないだろう
CoyaNote2012015
とにかく花粉さえなければ
なんとでもなるのだ
あの忌ま忌ましき物体め
CoyaNote2012016
何もしないことがよくないのはわかってる
けれど何かしたとしても
それがどうなるわけでもない
CoyaNote2012017
肩や腰が重くつかれていたとしても
描く
絵が苦
CoyaNote2012018
そのうちいつかやろうなんてことは
つまりやらないことの決定にほかならない
今、今日やらなければならない
すぐに
それは創造などという行為ではなく
日々の業務
タスクである
ノルマを果たせ
CoyaNote2012019
口は災いのもと
今すぐにこの舌を切り取って
唇を太い糸で縫いつけてしまえ
CoyaNote2012020
結局のところ君の積み重ねられた経験は
今を自己防衛するための言い逃れ
としかなっていない
「だってそうしなければならないと
昔言われたからさ」
昔は昔、今は今
そっくりそのまま同じでなんてことは
ありえないのである
CoyaNote2012021
段ボールにつめられて運ばれていく
愚かさの結晶
その時だけの満足のみで
二度と日の目を見ることのないゴミ
CoyaNote2012022
子ども目線に立てないなら
その脚をちょん切ってしまおうか
マルチタスクができないなら
その脳と目と耳と口と
両手両足バラバラにしてしまおうか
CoyaNote2012023
言われないとできない
言われてもできない
自分で考えるということができない
バカが君だ
CoyaNote2012024
愛情が憎しみへと変わる前に
諦めてしまうのが得策さ
なんてわかったような口ぶりしたって
どうせそんなことできっこないんだ
CoyaNote2012025
バカらしいことを真剣に取り組んで
待ち受ける結果は
やはりバカげてるものだ
CoyaNote2012026
ヘタだからこそ、描き続ける
うまくないなら、続けること以外に
なんの価値もないから
CoyaNote2012027
結果の伴わないあらゆる選択は
たとえそれがどんなにも
誇るべき過程を経ていたとしても
失敗でしかない
CoyaNote2012028
希望を持てば
前向きになれるであろうことは
理解できる
が、しかしどうしても
ネガティヴ 根暗な
自虐人間のままでよいという
ニヒルにシニカルに
斜に構えてしまう
どうしようもない自分がいて
それが支配的であるのが
問題だ
CoyaNote2012029
きっかけやタイミングなんてもんは
ない
今しかない
今すぐに
動き出す指令は下された
CoyaNote2012030
やる気が出てそれからやるのではない
やってくうちにやる気が出てくるのだ
継続とはつまるところ惰性に他ならない
それは努力しつづけるストイックさではなく
ダラダラと止まらないけだるさ
無気力なもがきである
だから
つべこべいわずに
第一歩を踏み出せ、ということだ
CoyaNote2012031
なんのためにあるのかわからないような
休日の一日
過去をいくら後悔したって
なんら生産的でないから
未来を考えないといけないのに
その未来に希望が見出せないのだから
事態は深刻だ
明日もまた
「どうせやりすごすだけの」
平日がやってくる
僕はそれをただ淡々と黙々と
消化するだけ
何もない状態が
何もないままであるように
しつづけること
タイムワープでもして
意識も記憶もないまま
気付いたら時間だけが経っていた
それが理想とでもいうのか
CoyaNote2012032
うららかでおだやかな冬の一日
何もせずただ時間を無駄にするだけで
うんざりしてしまいそうだ
CoyaNote2012033
人生とは苦悩と選択と決断の連続である
どうすればいいか迷ったところで
どれを選んでも結局は失敗に終わる
うまくやろうとしても どれも間違っていて
正解なんて何一つないのだ
ここで馬鹿正直になんの打算も戦略もなく
右から左に流してしまうことは簡単だ
あるいはそれしかやってはいけないのだろう
それ以外の思惑
なんとか自分の都合のよいように持っていこう
なんていう見え透いた欲望は
全て絶望に帰する
遅くなればなるほど事態は悪化する
迷ってる時間はない
CoyaNote2012034
のるかそるか どうするか
CoyaNote2012035
自分はどうでもいいからせめて他の人だけでも
なんて自己犠牲の精神に満ちた
ヒロイズムなんてうんざりだ
偽善者ぶるな いいひとの仮面なんて剥げ
本当の自分をさらけ出せ
エゴむき出し
汚くて卑怯で欲深く
ヘドが出るほどサイテーな人間
それが本当のアンタだろ
世間体とか社会的立場とか
そんなもん捨ててしまえ
なりふり構わずつき進め
それでどうなろうと知ったこっちゃない
先のことなんて考えたって
未来がろくでもないことは
もうわかってるんだから
あとはいかに悪あがきするかだ
もう全てを終わらせて
シヌ覚悟もつけている
‘12.12.12
CoyaNote2012036
少ない経験から言えることは
やり始めれば自分が考えていた以上に
やり続けられるし
結果としてやれるのだ
という法則である
しかし その流れにのること
はじめの一歩を踏み出すことが
とてつもなく難しい
CoyaNote2012037
勢いにまかせて
一気呵成にいかないとできない
慎重さとはやろうという度胸も覚悟も持たない
臆病者が勝手につくった
自己保身 自己正当化のための
言い訳にすぎない
その一歩が踏み出せないなら
自分では動けないというのなら
万有引力の法則 自然の摂理を使って
強制的に動かすしかない
すなわち
高みから落ちろ、ということだ
カオスへのダイブ
CoyaNote2012038
虫酸が走るほどキモい絵を描こうとしているのに
いいコンディションを求めてしまう矛盾
CoyaNote2012039
芋虫 蛆虫 糞虫
好きな名前でお呼びください
CoyaNote2012040
描くことを恐れずに
描き続けること
描いたものは全て正しい 美しい
CoyaNote2012041
描き続けることは
上手く描くことよりも難しい
CoyaNote2012042
描いた結果は一生残る
人が生きた時間と等しく
CoyaNote2012043
クロッキー帳にボールペンでドローイングすると
下の紙にまで無神経に溝をつけてしまう
空気が読めない君そのものだ
金輪際 ボールペンでのドローイングは
一切禁ずる
CoyaNote2012044
笑っちゃうくらい極太の油性マーカーを
まるで筆のごとく使って
線描していく
途中でかすれても
思った通りの太さにならなくても
構うものか
醜い自分の姿を
醜い線で表現する
出来上がったイメージは
それはそれは非道い有様
名付けて《人間ボンレスハム》
CoyaNote2012045
蛆虫が 糞虫が 害虫が
貴様には幸せになる
権利も資格もない
ありったけの不幸と
常にどん底の絶望と苦しみ
そんな泥のような状況がお似合いさ
見せつけてやる 「他人の幸せ」を
貴様には一生手の届かない
体験することのできない感覚を
見よ これが現実だ これが格差だ
CoyaNote2012046
こんなにたくさんのやさしさでもって
接しているのに
届かないなんて
響かないなんて
伝わらないなんて
愛情が憎しみに変わる前に
諦めるのが得策さ
なんてニヒルに笑ってみたって
嘘だってすぐわかる
だって相手は自分自身だから
なりふり構わず
やってもやらなくても
必ず選ばなかった方が正解だったかもと
後悔する
CoyaNote2012047
それは常に頭の中から消えることのない
存在としての悩み
見えない未来 冬は寒い
何がしたいんだ
君にあいたいんだ
何やってるんだ
君にあおうとしてるんだ
そんなことしてむなしくないかい
むなしいけどやらないと結局むなしい
さっさと諦めないか
諦めるという選択肢をまっさきに諦めた
このまま続けていても何もないよ
ないとは思うけどあるとも思える
いつまで続けるつもりだ
いつまでも続けるつもりだ
実際そうなった時にきっと結局失敗する
それもわかってるけどそうなっただけで一応満足
救われないね
誰も救ってほしいだなんて思っていない
これは忍耐の問題だ
どれだけ心を平らのままで保っていられるか
それが試されている
見えない未来 冬は寒い
でも温かい春が来ることだけは約束されていて
それだけは見える
第三者として呼び合う仲
隣り合ったテーブル
お互いそれなりによく知ってるのに
ここでは別の人物を演じる
すぐそばの相手のことを話すのに
「あの人」「そのコ」と
第三者として呼び合う
不思議な会話
その方が客観的になれるのかも
その方が本音を打ち明けられるのかも
だってあくまでも第三者だから
しかしそれは危険な遊び
刺激が強い分
代償も大きい
今になってみれば
どうしてあの時止めなかったのだろうかと
ひたすら後悔する
つい誘いにのってしまった
それが失敗だったのだ
第三者のまま離れてしまった
もはや他人となってしまった
取り戻すことはできないのだろうか
もう一度チャンスがあるのなら
やさしさなんていらない
第9冊ノートを終えて
ほぼ2年をかけて書かれたこのノートだが、本質的な面が悲しいことに前回と変わっていない。それは決して良いことではなく、現在の判断基準に照らしてみればもはや早急に直さなければいけない欠陥である。いつまでも変わらないこと、ずっと同じであることが、悪徳であるとはっきり言えるようになったのだ。長年の価値観や考え方がほころび、捨て去られた時、それを俗に大人になったと形容するのだろう。
とはいえ、この2年間はさまざまあった。前回のノートはまだ社会人1年目、わずか5ヶ月ほどしか働いていない未熟な時代であったが、それから2年、少しは成長したといえるだろうか。その間、職場の中でも大きな変動があり、時間だけが経過して何も変わってないというわけではない。そういった右往左往する日々を、断片的にではあるが記録として残すことができ、後に読み返して当時を思い返すよすがとできれば、もはや何のために書いてるのか自分でもよくわからないこのノートにも意味を見出せるのだろうか。
区切りよく次のノートは新年を迎えてから、というご都合主義にしたがわない、これからは自分のいつもの行動パターンを裏切るものとしたい。
2012年12月28日 プラス思考でCoya