みなさんは、十二支を知っていますか。でもなぜ十二支はできたのでしょうか。これは、とある地方に伝わるお話です。
昔~昔ある山にとくべえと言う村人が、芝かりに行った。そして、帰ろうとすると、
「いよいよ明日、村へいたずらしに行くぞ。」
「ああ、楽しみだな。でも、俺たちのきらいな、ねずみ、牛、とら、うさぎ、へび、馬、ひつじ、さる、にわとり、犬、いのししどもがいいな。」
びっくりして、とくべえがのぞいてみると、そこには、竜のような化物が二匹いました。大変です。早くこの事を村人に教えないと。とくべえは
「ねずみ。牛、とら・・・ね、牛、とら、うさぎ、へび・・・子、牛、とら、巳、馬、猿、とり、犬い」
いつのまにか省略して、へびが巳になりながら、とくべえは村人に言いました。
「た大変でぇ。り竜が明日村さ来て、いたずらするだべ。早よ、子、牛、とら、う、巳、馬、ひつじ、猿、とり、犬、いをありったけ用意するだべ。」
村人は大急ぎでねずみ、牛、うさぎ、へび、馬、ひつじ、猿、とり、犬、いのししを用意しました。でも、とらが見つかりません。
「ねこを使えば」
誰かが言ったので、とらの代わりにねこを使うことにしました。
次の日、二匹の竜の化物は、山の方からやってきました。村人達は、動物達をいっせいにはなしました。
「チュー、モー、カオーの代わりにニャー、シュルシュル、ヒヒーン、メーメー、キキー、コケコッコー、ワンワン、ブルル。」
動物達の鳴き声が村中にひびき渡ります。そして、ねず、へび、犬がかみつき、牛、ひつじ、いのししが体当たり、ねこと猿はひっかき、にわとりはつっつく。あっという間に、化物は退治されました。村人達は、それはそれは喜んだこと。とくべえにたくさんのほうびをやったとさ。
それからというもの、ねずみ、牛、ねこではなくとら、そして一応化け物の竜、へび、馬、ひつじ、猿、にわとり、犬、いのししを神様とし、一匹ずつ、一年でえらい動物になれると決めました。とえ、ねこだって。実は、ねこは、ねこに関することわざやいい伝えを多くすることにしたってよ。これで十二支ができたってわけよ。めでたしめでたし。